第183回 株式会社ジャストライフ

 第183回は京都・大阪で訪問介護、訪問看護をされている『株式会社ジャストライフ』をご紹介します。株式会社ジャストライフの代表を務める武村聡さんは、約20年にわたり機械関係の営業職として活躍されてきました。40歳を迎えた頃、知人が介護事業を立ち上げる姿に触れ、高齢化が進む中での介護業界の可能性に目を向けるようになりました。そして、自らも介護事業への挑戦を決意されました。
 現在統括マネージャーである奥様は20代の頃にお母様が難病を患われ、福祉関係者の方々に支えていただいた経験をお持ちで、当時は金融機関で営業職をされていましたが、その経験から福祉への想いを深め、社会福祉協議会へ転職されました。キャリアウーマンとして順調に歩んでおられましたが、ご主人の独立を機に、会社の管理職として経営を支える道を選ばれました。現在も役員として尽力されている他の5人の役員の方々と共に新たな挑戦がはじまりました。
 同社の大きな特徴は、正社員の割合の高さです。介護業界では非正規雇用が多い中、人件費の負担は決して軽いものではありませんが、働きやすい環境づくりを何よりも大切にしています。
 具体的には、管理職が全従業員と個別にお話しする機会を設け、困りごとや不安なことを丁寧に聞き、その都度改善に取り組んでおられます。また、訪問介護・訪問看護という仕事の性質上、従業員同士が顔を合わせる機会が限られるため、コミュニケーションを深める場として、懇親会や飲み会などの費用は全額会社で負担し、定期的に開催されています。これが心のケアや職場環境の向上につながっているのです。
 さらに、面談では一人ひとりの話を聞き、個々の状況を把握し希望する勤務時間を丁寧に聞き、できる限り希望に沿ったシフトづくりを心がけています。加えて、それぞれの目標実現をサポートし、業務上必要な研修や資格取得にかかる費用は会社が全額負担、勤務時間内での受講も可能にしています。こうした手厚いサポートが、結果として利用者様の満足度にもつながっているのです。
 今後の展開について、適任者が見つかれば事業所の拡大と従業員の増員を考えておられます。さらに、今年の年末には障害者向けシェアハウスがオープン予定です。これは、障害を持つご利用者様の親御様から寄せられた切実な声から実現したもので、「自分たちがいなくなった後も、子供が安心して暮らせる場所を」という願いに応えるものです。
 代表は常に「ご利用者様が何を望まれているか、どのようなサービスがあれば喜んでいただけるか」を社内外の人達と一緒に考え、それを実現する方法を探り続けておられます。人を想う心を大切に、着実に歩みを進める同社の今後がとても楽しみです。