第184回 関西シグナルサービス 株式会社

 第184回は京都を中心に関西圏で交通インフラのトータルサポートをされている関西シグナルサービス株式会社をご紹介します。
 昭和47年7月、現社長の祖父にあたる三ツ野美男氏が現在の地で創業しました。創業当初は4名の社員とともに、小屋のような建物で業務を開始し、昭和50年ごろまでその環境で事業を展開していました。
 当時の事業は、電車や路面電車の信号機メンテナンスでした。しかし、時代の流れとともに路面電車が次々と廃止されていく中、同社は柔軟に事業を転換し、自動車用の交通信号機の設置とメンテナンスへと軸足を移していきました。この転換期における判断が、同社の今日の基盤を築く礎となっています。
 現社長の三ツ野将弘氏は、32歳という若さで社長に就任しました。19歳で入社して以来、将来の経営を見据えて多くの書籍を読み、経営について学び続けてこられました。社長がよくお話しされる「今、目の前にある壁が高くて超えられないと思っているだろうけど、それは自分の勝手な思い込みであって必ず超えられる」という信念のもと、常に成長できる環境に身を置くことを社員に鼓舞し続けています。
 社長就任前から、三ツ野氏は一つの疑問がありました。「関西シグナルサービス」という社名にもかかわらず、仕事のほとんどが京都に集中していたのです。この矛盾を解消すべく、エリア拡大に着手し、現在では大阪、奈良、兵庫、滋賀に営業所を展開するまでに成長させました。設備のライフサイクル全般をカバーする「工事」「保守」「設計」「製造・販売」といった専門性の高い業務に加え、都市機能の維持に関わる「物流」や「駐車場」事業も手掛けています。こうした総合的なサービス提供により、地域社会の基盤を支える重要な役割を果たしています。
 急成長を遂げる同社では、採用と雇用の定着に対して独自の工夫を凝らしています。転勤はなく地域密着での勤務体系となっており、新卒採用では、内定前、内定後、入社後と、本人の希望があれば何度でも面談を実施し、不安に思っていることを丁寧に聞き取り、寄り添い、実際に改善へとつなげています。また、会社の雰囲気を事前に知ってもらうため、YouTube、Instagram、TikTokといったSNSを積極的に活用し、入社前の不安解消にも効果を上げています。
同社の平均年齢は30.8歳と若く、今後、事業規模のさらなる拡大を目指しており、事業の中心である信号機を軸に、自社の強みを活かせる新たな事業領域の開拓にも意欲的です。地域社会のインフラを支える企業として、次の半世紀に向けた新たな挑戦が始まっています。