第186回 株式会社 杉原精密金型製作所

 第186回は、京都伏見区で精密金型メーカーをされている株式会社杉原精密金型製作所をご紹介します。1965年創業者の杉原昭氏が南区でわずか5名のスタッフとともに金型加工の会社を立ち上げました。当時から精度へのこだわりを貫き、着実に事業を拡大してきました。本社が南区、工場が伏見区にありましたが、2015年に現在の伏見区に集約移転し、生産体制を一層強化しています。主力製品は、電子部品のパッケージを作成するためのプレス金型です。関連するリード曲げ型、カット型、粉末成形型、治具類など、多岐にわたる精密金型製品を手掛けています。これらの製品は半導体をはじめ、自動車や家電といった生活に欠かせない製品の製造に使用されており、高度なIT化社会を支える基盤技術として重要な役割を果たしています。
 現社長の中野正治氏は、創業から15年目に入社しました。入社当時の従業員数は15名でしたが、現在では40名を超え機械設備を他社に負けないほど充実させ、顧客の要望にいつでも応えられる体制を整えています。また高精度加工に欠かせないのが、温度管理への徹底したこだわりです。工場内は24時間365日、金型加工に最適な23度に設定されています。現場からは「少し寒い」という声も上がっていますが、現在ベストを手配中だということで、現場の声に耳を傾け、働きやすい環境を整えられています。
 同社の最も得意とする加工は、髪の毛ほどの微細穴加工やサブミクロン単位の高精度加工を実現する技術力です。何万カ所にも及ぶ穴加工において、その一つ一つすべてにミクロン単位の精度が求められます。優れた機械設備と恒温室化された環境はもちろんのこと、工具の選定、加工条件、プログラムなど、長年蓄積されたノウハウが不可欠です。毎回加工後には全数測定されたデータを確認し、精度の維持管理を徹底しています。得意先である大手上場企業様から数あるサプライヤーの中からベストサプライヤーとして表彰を受けた実績が、その技術力の高さを物語っています。
 中野社長は今後について、「精密金型のプロフェッショナルとして、この技術を次の世代へしっかりと継承していきたい」と語ります。派手な拡大路線ではなく、培ってきた技術と品質を堅実に守り、次世代に継承していきます。そこには、半世紀を超えて精密金型一筋に歩んでこられた企業の誇りが感じられます。