第178回 株式会社 京都レントオール
第178回は、京都のレンタル専門「株式会社京都レントオール」をご紹介します。同社は1982年、現社長の父によって創業されました。当時、不動産会社に勤務していた時にレンタル会社のフランチャイズの話を聞き、このビジネスで独立することを決断されました。しかし、当時は商品をレンタルするというビジネスモデルが珍しく、店舗購入のための資金を金融機関から融資してもらう際には大変な苦労を経験されたそうです。
資金調達のめどが立ち会社を創業すると、毎日大変忙しく、貸し出すものがなくなるほど商売は順調に推移しました。少しでも資金ができるとレンタル用の商品を購入、倉庫用の土地を購入し、どんどん事業を拡大していきました。この創業期の積極的な投資姿勢が、現在の同社の基盤を築く礎となりました。
現社長の高乗大悟氏は、大学卒業後に大手企業に就職し、地方で充実した社会人生活を送っていました。30歳の頃、実家の母から父の病気により、会社を閉めることを検討しているという連絡を受けました。幼少期から会社の3階が自宅だったため、可愛がってくれた従業員の顔が思い浮かび、京都へ戻って同社へ入社することを決意。大手企業から京都の中小企業への転職でしたが、直接お客様の顔が見えるところにやりがいを感じ、休むことなく働き続けました。2020年4月に代表取締役社長に就任しましたが、すぐにコロナ禍となり、赤字が続く大変な時期を経験されました。
高乗社長の今後の展望として、会社を継続するために利益だけを追い求めるのではなく、お客様はもちろん、従業員とその家族、仕入先の幸せも考えていきたいと述べられています。この理念を具現化する取り組みとして、京都SDGsパートナー制度にも登録されており、持続可能な経営を実践しています。
京都レントオールは、多様なレンタル品とイベント対応力を通じて、社会の様々な活動を幅広く支えている企業です。創業から40年余りの歴史を持つ同社が、「ニーズに応え、地球に優しいレンタルで」というスローガンのもと、今後も持続可能なレンタル事業を通じて社会に貢献していくことが期待されます。