vol.23 ハレの日に鯖寿司

iitoko05遠く福井県若狭から峠を越え、いくつもの村や町を通り抜け京都まで続く鯖街道。日本海の荒波にもまれ、身がしまった若狭の鯖を運んだ道です。すぐに鮮度がおちるため、京都までの長い道のりを塩鯖にして届けられました。そうして届いた塩鯖を、味にこだわる京都人がさらに魚の旨みを引き出してつくったものが鯖寿司。酢と昆布でまろやかになった鯖はまさしく旨みが引き出された味といえるでしょう。元々この寿司、家庭料理として特別な日にだけ食べるものでした。京都人にとっては、祭りの日やハレの日には欠かせないご馳走。なかなか手に入らなかった魚を、特別な日に大切に味わっていたんですね。若狭の海から運ばれてきた鯖が京の食卓を飾る…そんな中にも京文化の息づかいが感じられます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です