第104回 (一財)京都工場保健会

 第104回は「(一財)京都工場保健会」さんです。京都市中京区に本部を置かれており、㈱宮木電機製作所社長の故宮木男也さんによって、病気の早期発見と健康保持を目的に創業されました。日本のものづくりの将来を担う労働者の健康を守りたいという強い思いは、今も受け継がれ、労働者とそのご家族の健康を見守り続けられています。
 施設内で実施される定期健診、人間ドックにとどまらず、出張健診、家族健診など、より幅広い人々を対象とされています。また、健診後の精密検査、再検査はもちろん、通常の診療業務のほか、職場の作業環境測定などを含む総合的医療健康機関として事業を展開されています。平成15年には厚生労働省管轄の法人となりました。
 出張健診のためのレントゲン車は、京都工場保健会の設立翌年の昭和16年、民間では全国で最初に導入されたそうです。以後、胃部、胸部検診や婦人科検診車などを導入され、現在は約40台の検診車を保持。事業所へ向けた出張形式の健康管理が行われています。事業所の近くに診療所がない方や、時間がとれない方にとっては、とてもありがたいことだと思います。
 現代人に必要とされるサポートにも積極的に取り組まれており、「御池メンタルサポートセンター」では、ストレスチェックをはじめ働く人のメンタルヘルス対策や、職場環境改善の取り組み支援を実施。また、定年退職された方を対象に行っている無料の健康トータルサービス「サルーテ」は、退職後の健康管理を行ってもらうことで、安心してセカンドライフに向けた準備ができる、と利用されている方に好評とのことです。
 今回お話を伺った代表理事副会長の丸中さんは、創立100年に向けて定期健診受診者1人1人のデータを管理し、病気の症状が出る前に、生活習慣などの指導ができるようなシステム作りにも奮闘されており、実現すれば健診を受ける私たちにとって大変心強いものとなるのではないでしょうか。今後の発展が楽しみです。