第108回 京名菓 大極殿本舗

 第108回は、京菓子・カステラ製造販売の「京名菓 大極殿本舗」さんです。
 明治18年初代の芝田茂助さんが京菓子店「山城屋」として創業され、2代目の芝田岩次郎さんが長崎にてカステラ製造の技術を修得されました。大正5年には3代目の芝田治三郎さんが国産第一号の電気釜を用いて和菓子、カステラの技術を確立。以降、平安神宮名菓「大極殿」を製造販売し、「カステラ」と共に代表商品として全国に広がりました。戦時中は休業を余儀なくされましたが、昭和22年には、京都府より天皇陛下献上のカステラのご用命を賜わり、これを機に操業を再開。それと同時に“平安神宮ゆかり”の大極殿として社名を正式に「京名菓 大極殿本舗」と改められました。その後は次々と銘菓を発売され、昭和60年には創業100年を記念して六角工場を新築。
 平成14年には、六角店「甘味処『栖園(せいえん)』」を開店。現在、大変な人気を集めているのが、「琥珀流し」という寒天を独自にアレンジされた冷菓子です。これを発案されたきっかけを中村さんに伺うと、夏にかき氷を出すまでに何かお客様に楽しんでいただけるものを・・・と現在社長の芝田賀邦さんの奥様泰代さんが職人さんと試行錯誤され、先代の“他にないものを・美味しいものを・高価でないものを”という想いを引き継いで完成されたそうです。
 大極殿本舗の六角店を訪れると、大変歴史のある京町家で、店内は平日の昼間にもかかわらず物販、喫茶共に大変賑わっており、今月の「琥珀流し」を楽しんでおられました。お店に入る際には“のれん”にもご注目ください。季節ごとに風情を感じることができます。2019年6月には本店(四条高倉上ル)が新装開店しました。こちらにも喫茶がありますので甘味をゆっくりお楽しみいただけます。ぜひ訪れてみてください。