第112回 株式会社 伏見上野旭昇堂

 第112回は「株式会社伏見上野旭昇堂」さんです。「株式会社伏見上野旭昇堂」さんは、1905年滋賀県土山町(現:甲賀市土山)にてうちわの製造から始まり、日露戦争勝利の記念として“日の昇る会社”「旭昇堂」と命名されました。後に京都市伏見区にて「上野旭昇堂伏見店」の名称にて不織布カレンダーの製造を開始、会社名は現在の(株)伏見上野旭昇堂となりました。
 現在は、夏には“うちわ”、“扇子”。冬には“カレンダー”を中心に製造販売を行われています。時代の流れの中で、電化製品が発達し“うちわ”、“扇子”が生活必需品ではなくなりつつありましたが、子供たちに人気の漫画などのキャラクターとコラボした商品や、時代の先端素材である不織布を使用したカレンダー等、市場に必要とされているものを産みだし製造販売されてきました。また、新しいものだけでなく伝統の“うちわ”、“扇子”の製造販売も大切に考えておられ、竹の材料で安定して生産できるよう工場を海外へ進出させるなど努力をされてきたそうです。
 上野社長は、「伝統を残していくには、まず若い人たち、海外の方々に“うちわ”、“扇子”を使ってもらわないといけない。のちに、よい商品を買ってもらえるように足がかりを作っていきたい。」とお話下さいました。工場の中を見学させていただくと、2020年のカレンダーの生産中でさまざまな種類のカレンダーが並んでいました。法人より注文を受けたカレンダーに、一枚一枚手作業で社名の印字がされており大変な作業現場を拝見することができました。
 今後は、先代より受け継いできた「旭昇堂」という名称をブランド名にし、“うちわ”、“扇子”を中心とした商品の販売を拡大していきたいとお話下さいました。来年の夏ごろには店頭に並ぶ予定ですので、是非お手に取ってみてください。