第126回 田中精工株式会社

 第126回は、金型設計製作から、鋳造、機械加工、外装まで精密ダイカスト部品の一貫生産をされている「田中精工(株)」さんです。
 1946年11月、初代の田中賢介さんが京都市下京区にて田中商店を創業。当初はダイカスト部品の受託加工をされていましたが、金型製作、加工、洗浄、表面処理塗装一貫生産体制を確立し、1969年6月伏見区において田中精工株式会社を設立。2009年1月に現在の宇治市槇島町へ移転、集約し4工場にて操業しています。
 「田中精工㈱」さんの強みとして、3次元CAD/CAM/CAEシステムによる精密ダイカストの製造があります。これは、鋳造(金属を熱でとかし鋳型(いがた)に流し込んで形状物を作ること)技術のことで、優れた技術力と長年の実績で、ミクロン単位まで追及され製造されています。そして営業提案から、金型設計・製作からダイカスト鋳造、精密機械加工、外装まで、部品の“一貫生産”の強みを生かし、試作から量産までをトータルで対応。ユーザーの満足度の高い部品を提供可能としています。スイッチ 類、センサー類、照明機器、ロボット関連、電子機器、制御機器、車載関連、光ファイバー関連の部品など、高精度な技術が評価され1994年2月に第1回京都中小企業技術大賞「CIM指向の高品位ダイカスト一貫生産システム」を受賞されました。
 “一貫生産”の強みを発揮するためには、協力会社との連携は必須です。そこでインターネットを介して生産情報の共有と受発注を行うSaaS型の「製造業パートナーシップシステム」を構築。これは1つのサーバを複数の企業で共有できるというもので、より迅速な対応が可能となりました。生産予定や前工程の進捗確認、受発注処理などを行うことができ、納期や品質の徹底管理にも繋がっています。こちらのシステムは2009年2月に中小企業IT経営力大賞2009「経済産業大臣賞」を受賞され、現在は更にグレードアップを図られています。
 代表取締役会長の田中光一さんは「この先も素形材産業の黒子として、あくまで下請けに徹する。更に“一貫生産”を強みにしてきたい。」とお話下さいました。私たちの生活に直接触れるものではないですが、こういったお仕事に日々支えられていることがわかりました。貴重なお時間を頂きました。ありがとうございました。