第143回 株式会社 大興製作所

 第143回は、1952年の創業より今年で70年、石英ガラス加工製品の研究開発・製造販売、光学および熱システムの研究開発・製造販売をおこなわれている「株式会社大興製作所」さんです。
“石英ガラス”とは、超高純度ガラスのこと。高い光透過性(紫外から赤外まで幅広い)、高い耐薬品性(強酸薬液や腐食性ガス)、耐熱衝撃性(1000℃以上の高温から急冷でも割れない)という機能があり特殊かつ精密な状況に応じた使用が可能です。
 このような“石英ガラス”の特性と「株式会社大興製作所」さんの技術力が、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の目に留まり、2003年小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰った試料分析に使用されるシャーレ(採取したサンプルを保管する容器)を製作した事例にもつながっています。
 医療分野においては、副作用の少ないがん治療装置用として開発された新素材「次世代がん治療装置用中性子減速材」が“2021年度京都中小企業大賞優秀賞”を受賞。
 また、レーザー研究の環境を整える「レーザー安全環境構築」や、UV関連では水銀を使わず環境にやさしいLEDを使ったユニット開発など“サイエンスの先端”として多方面の分野から注目されています。
 代表取締役社長の須田真通さんは「サイエンスの研究・開発のスパンは長く20-25年前のものが今でてくるような世界で、研究開発者と共に独自の製品を作り出していきたい」とお話下さり、その長期間安定した器具の提供を使命を持って続けていかれます。2013年には研究開発者専門のWEBショップ(ラボ・マイスター)を開設し、研究開発に必要なニッチな製品を時間に関係なくいつでもオーダーできる環境を整備されました。今後については「石英ガラスをもとに海外も視野に事業拡大していきたい」と目標もお伺いすることが出来ました。
 創業以来、「千年続く企業」を掲げられ今後も人と社会の役に立ち続ける企業として歩んでいかれます。お忙しい中丁寧な説明をして頂きありがとうございました。