第150回 パティスリー菓欒

 第150回は西賀茂チーズで有名なパティスリー菓欒さんです。店名の【菓欒】とは家族で団欒のひとときをおいしいお菓子でいっそう楽しい時となりますように・・・そんな思いを込めて名付けられました。家族で集まった時にみんなで食べてもらいたいので、味はやさしく、口当たりもやわらかく、小さいお子様からおじいちゃんおばあちゃんまでみんなが食べられるお菓子作りを目指されているそうです。
 パティシエの北村拓二さんは、パン屋さんのお兄様の紹介で京都の洋菓子店に就職された後、ホテルニューオオタニ博多で5年ほど勤務され、平成8年、地元の西賀茂にお店を構えられました。
 独立されてからは、お店が休みの日には、ヒット作のヒントを探るため他の洋菓子屋さんめぐりをされていたそうで、とある神戸のケーキ屋さんで小さいチーズケーキを食べたときに『これだ!』と思い、数々の試行錯誤の末、2種類のチーズを独自の配合でブレンドし、ふんわりとやさしい味に仕上げた西賀茂チーズができあがりました。
 店頭に並べるとお客様からの反応も良く、次第に販売個数も増えていき、雑誌などにも取り上げられるようになっていきました。平成15年、毎日放送【ちちんぷいぷい】というTV番組の取材を受けて以降は、店にたくさんのお客様が押し寄せ、電話も鳴りつづけ、当時1日1,000個しか製造できなかったので、開店1時間で売り切れてしまうということが半年以上続いたそうです。今では、包装など自動化できる部分は機械を導入し1日10,000個まで生産できるようになりました。
 今後は、地元のお客様にはもちろん、観光で遠方から来られるお客様にもお店のケーキを味わってもらいたいと思い、テイクアウトだけでなくお店でも食べていただけるようなカフェも併設したいと考えられているそうです。
 2020年にはオンラインショップを開設。賞味期限3日であることを十分にご理解いただいたうえで、地方発送も行っておられます。
 今の菓欒があるのは販売を担当されている奥様の支えがあったからこそだとおっしゃっていました。私も商品を注文させていただいたときに奥様のきめ細やかなお心遣いに感動しました。お忙しいところありがとうございました。