第157回 ルアルティザン株式会社

 第157回は創業2005年11月、今月11月に19年目を迎えられるブーランジェオクダさん(社名はルアルティザン㈱)です。奥田社長は高校卒業後、地元と京都ホテルのパン屋さんで10年修業し、28歳で独立されました。
 店名のブーランジェとはフランス語で【パン職人】という意味で、本場フランスでは、1998年にブーランジェに関する法律が施行され、パンを売るだけのお店は、ブーランジェを名乗ってはいけないことになりました。具体的には、「職人自らが小麦を選び、生地をこねて、発酵させ、焼いたパンをその場で販売するお店」だけがブーランジェを名乗れるということになったのです。これにより工場で大量生産されたパンや冷凍生地を焼いただけのパンを売る店はベーカリー、パン職人のいる店はブーランジェと区別されるようになりました。
 日本には、そのような法律はないのでブーランジェを名乗るのは自由ですが、今回取材させていただいて、奥田社長はまさに職人であり食材や工程にこだわりぬき、商品に妥協を許さない、まさにブーランジェそのものであると感じました。パンに使われている小麦粉は北海道産と京都産を使用し、バターも国産、ショートニングはオーガニックを使うなど、厳選された食材を使っておられます。賞味期限としては短くなりますが、毎日食べるものだからこそ安心して食べていただけるよう添加物はできるだけ使わずパンを作られているそうです。
 また作る工程においても季節や天気、食材によって配合を微妙に調整し、毎日同じ仕上がりのパンを提供できるよう努められています。特にオススメの角食パンは毎日食べても飽きないように、甘さ控えめでもちっとした食感、お好みのバターやジャムをつけても合うように作っておられます。
 新宿伊勢丹や銀座三越のフードコレクションバイヤーから直接声がかかるほどの人気店ですが、地元を大事にされ、今後も京都でもっとクオリティーの高いパンを提供し続けたいとおっしゃっていました。