第187回 太平工業 株式会社
第187回は、建築の企画・設計ならびに施工をされている『太平工業株式会社』さんです。
創業は1947年、株式会社島津製作所と山口玄洞氏の共同出資により設立されました。最初は、太平林産工業株式会社という名称でした。島津製作所の建設課木工場が独立したもので、戦後の混乱期、鉄が不足していたことから、戦後復興需要を見込んで木材を使った建築部門を独立させました。社長には、当時島津製作所の役員であった荻原勉氏が就任しました。
創業当初の事業は、木材建築を中心としながらも、木箱梱包や船舶用の耐火床材など、多岐にわたっていました。特に、船舶用床材である舖床材『太平コンベス』は大きなヒット商品となりました。この製品はヨーロッパ造船の認証機関の規格も通過し、海外の船舶でも広く採用されるようになりました。同社の技術力と品質の高さは、国内外で高い評価を受けることになったのです。
1972年の日中国交正常化を機に、同社は新たな成長期を迎えました。中国への輸出が活発化し、木箱梱包材の需要が急速に拡大したのです。包装事業はその後も順調に成長しましたが、事業環境の変化に対応すべく、2005年に島津ロジスティックサービス株式会社へ分離譲渡し、建築専業へと舵を切りました。この決断により、同社は建築分野における専門性をさらに高めることができました。
現在の同社の強みは総合力にあります。建築工事から電気・設備工事、保全業務まで一貫対応できる体制を整え、ワンストップサービスを提供しています。創業以来、島津製作所グループをはじめ、公共・民間・船舶関連工事を通じて地域社会に貢献してきました。また、オフィスビルから教育・医療施設、伝統工法、耐震診断まで幅広いノウハウを蓄積し、近年は「Shimadzuみらい共創ラボ」などの先端施設や歴史的建築物の改修実績も積み重ねています。2027年1月に創立80周年を迎える同社は、地域社会への貢献と顧客との信頼関係を基盤に、次の時代へと着実に歩みを進めています。