第193回 東陽精工株式会社

 第193回は金属部品加工から販売までを手掛けられている『東陽精工株式会社』さんです。同社の歩みは、1964年にまでさかのぼります。地元で機械金属加工業を営む会社社長から「組み立て作業をしてくれないか」と依頼を受け起業を決意し、翌年に5〜6人の作業員と作業場を用意し、仕事を引き受けたのが同社の始まりです。1970年6月に法人化して津田工業株式会社を設立し、1976年7月に現在の東陽精工株式会社へ社名を変更しました。1985年10月には現在地に社屋を新築移転し、事業の基盤を固めてきました。
 組み立て作業から出発した同社は、現在、部品加工および販売を事業の柱としています。主な製造品目は、鍛造用金型、医薬用金型、各種精密部品、各種金型部品です。最大の強みは、切削加工、研削加工、熱処理、放電加工、ワイヤーカット、磨き、ロー付け、プレスまでを一貫して手がけられる点にあります。工程を分散させない体制により、短納期での対応を実現しています。
 代表取締役の波多野嘉和氏は、7代目社長です。1983年日東精工に入社し、産機事業部で主に設計業務に携わってきました。59歳の時、日東精工から東陽精工へ出向。2023年(令和5年)3月には、代表取締役に就任しました。前任者の意思を受け継ぐ波多野氏が就任後に力を入れたのが、従業員一人ひとりへの目標管理の導入です。指示を出すだけでなく自らも改善の現場に立ち、現在は今年11月に開かれる日東精工の発表会に向けて、従業員3名とともに計4人のチームで業務改善と発表資料の作成を進めています。これを機に、作業時間や価格の適正さ、省ける工程の有無を見直していく考えで、「今までやったことのないことに挑戦し、周りを巻き込みながら切り開いていきたい」と意欲を語ります。
 今後は親会社からの受注にとどまらず、新規顧客の開拓にも取り組む方針です。地域の縁から生まれた同社は、創業60年を超えた今、新たな一歩を踏み出そうとしています。