第86回 株式会社 傳來工房

 第86回は、「株式会社傳來工房」さんです。弘法大師(空海)が唐の国より持ち込んだ当時最先端の蝋型鋳造法を会得した職人「御鋳物師」たちにより発足した鋳造技術集団「傳來」。その一番弟子によって「傳來」の銘は受け継がれ、「株式会社傳來工房」さんの歴史の始まりとなります。つまり平安時代から続く企業様なのです。
 1200年の伝統を誇る「鋳物鋳造」は、建築分野にも進出。皇居や官庁などの意匠金属工事のほか、重要文化財の復元工事なども数多く手掛けられています。また、一般のご家庭にも高い技術力をお届けしたいという想いから、200年住み続けられる家づくりを提案する「傳來工房の家」の事業や、デザインと品質に拘ったガーデンエクステリア製品のブランド「Dea’s Garden ディーズガーデン」事業を展開されています。
 「株式会社傳來工房」さんでは、20年間にわたり全社をあげて環境整備活動を実践されています。具体的には、礼儀・規律・清潔・整頓・安全・衛生および3定(定位置・定品・定量)活動を徹底。3定とは、決められた場所に、決められた物を決められた量だけ配置することです。「最も使いやすく、戻しやすく、管理しやすく、しかも美しく」というポイントを重視。仕事の効率化の向上や、知恵を使う修練となります。実際に社内を拝見したところ、どなたの机の中もきっちりと整理整頓がなされ、初めて伺った者でも何がどこに置いてあるかを把握できる環境でした。また、2ヶ月に1度「環境整備デー」を設け、よりよい仕事環境について社員さんが自ら考え、行動を起こし、習慣化することで、品質やコスト、納期のさらなるレベル向上とお客様満足度120%を目指されています。伝統技術だけに留まらず、新技術・新素材を取り入れ、新分野にも積極的に挑みながら、常に新たな伝統の創造を目指されている「株式会社傳來工房」さん。今後もどのような進化を遂げられていくのかが楽しみですね。