第100回 株式会社 宮木電機製作所

 今回は、今年5月に創業100周年を迎えられた「株式会社 宮木電機製作所」さんです。
 創業者の宮木男也さんは、若くして社会に出て働くという道を選ばれます。しかし、働く間にも“学ぶ心”は忘れず、夜間学校に通うなど学業を継続され高校を卒業し、28歳の時に「㈱宮木電機製作所」を設立されました。以降は繊維工業などの成長と共に発展され、さまざまな工業製品の研究開発、製造へ取り組まれていきます。社会情勢、産業構造の変化や天変地異、戦争など多くの困難に直面されましたが、取引先と真摯に向き合い、求められるものに誠実に、一途に提供する想いを継続されてきました。現在は、防爆機器、太陽光発電システムなど時代の流れに沿った新たな製品開発に取り組んでおられます。
 創業者の宮木さんの活動は「㈱宮木電機製作所」の設立だけに留まらず、働く若い人たちの健康を守らなければならないという想いから、現在の(一財)京都工場保健会の設立にご尽力されました。施設の維持が危うい時期もありましたが、当時流行していた結核により息子さんを亡くされたこともあり、施設の継続に奮闘されました。現在は、現社長の河原さんが代表理事会長を務められ、労働者の健康を守り続ける想いを受け継いでおられます。また、夢を追う若者のためにと、現在では京都を代表とする企業となった「京セラ株式会社」の設立時にも手を差し伸べられ貢献されました。
 「今後は、100年間培ってきたものを基盤として、100年後もなくてはならないと思っていただける会社を目指し、一層の精進をしていきたい。」とお話下さった代表取締役社長の河原さん。新たな分野を貧欲に求め、切り開く、社員一人ひとりの「挑戦の心」を大切にこれまでにない製品や価値を提供し続けていかれます。創業者の“誠実”で“まじめ”な性格が、引き継がれ現在の宮木電機製作所の社風になっていると感じることができました。