第14回 あぶらとり紙のよーじや

 第14回目は、明治37年創業のよーじやさんです。今回は『よーじや』の歴史、そして看板商品の「あぶらとり紙」についてお話を伺いました。
 当時の屋号は『國枝商店』といい、六角御幸町あたりで舞台化粧の「紅」や「白粉」などを中心に商っていました。その後、新京極の花遊小路への移転をきっかけに『よーじや』と改めます。この『よーじや』という名前は、〝楊枝(ようじ)〟と呼ばれていた歯ブラシ専門店も営み、身近に親しまれていたことに由来します。
 そしてその『よーじや』の看板商品「あぶらとり紙」の誕生は大正時代にさかのぼります。京都では当時も多くの映画が撮影されていました。大光量のライトを浴びる撮影下、油浮きが生じるドーランを塗った肌の「てかりを抑えたい」という要望を受け、試行錯誤した結果たどりついたのが「あぶらとり紙」でした。「あぶらとり紙」のもとは襖や屏風に使われる金箔の裏打ち紙で、この紙が顔に浮いた皮脂をよく吸収することに着目した京女の知恵が商品のきっかけとなったのです。
 その「あぶらとり紙」も春のさくら、秋のゆずと季節によって種類も増えました。そして夏は宇治の天然茶葉を練り込んだ抹茶を発売。さわやかさが香りたつ季節限定の「あぶらとり紙」はお土産やプレゼントとしてもお薦めです。