第24回 渡 敬 株式会社

 第24回目は、帯締、羽織紐など組紐を主に扱う「紐の渡敬」さんです。着付けのフィニッシュを決める帯締。それだけに妥協は禁物です。大正14年創業以来、組紐にこだわり続けて三代目、〈組み〉と〈色〉を究めてきた渡敬の製品は、伊賀組紐(伊賀上野)、江戸組紐(東京)、京組紐(京都西陣)の伝統工芸技術を活かし、組紐の他に帯揚、衿、ショール、草履バッグ、袋物などの和装小物も扱っています。
 渡敬がこだわる「色」は、きものや帯を引き立てながらも一本の紐の存在感が際立ち、着る人見る人が和むような彩・配色です。独自の色出しにこだわり、市場トレンドや顧客ニーズを取り入れ、「錆赤」や「金茶」という一目で渡敬の商品だと分かる独自のカラージャンルを確立しました。技術の高い職人と一体になり、「色」と「組み」にこだわったオリジナル商品を「三ツ杵」ブランドとして開発、帯揚・帯締の90%はこの「三ツ杵」ブランドの自社オリジナル商品で占めています。素材にもこだわり、絹100%を徹底しています。また新商品の企画にも力を入れ、他にないオリジナル商品の開発にも進んで取り組んでいます。
 近年の体格に合わせ、渡敬の標準サイズを160cm(房を除く)とし、これまで少なかった色・柄・組みの種類を豊富に揃えた組紐、縮緬(ちりめん)の里・丹後で織り上げた上質の生地に、古くから手から手へ伝承されている絞りや刺繍金彩等をほどこした帯揚、他にない独自の生地・染め・柄にこだわり、手刺繍や疋田絞り、傘巻絞りなど、手仕事で仕上げた逸品物も多数あるショール、オリジナル草履や伝統の組紐技術をいかした和装小物など、様々な着物シーンで活躍してくれる渡敬の美術工芸組紐、帯締の世界をぜひご覧ください。